液晶パネル大手、群創光電（イノラックス）は29日、日本のテック・エクステンション（本社・東京都世田谷区、福田匡志代表取締役、TEX）とTEXの台湾法人、台湾梯意愛克思（テック・エクステンション台湾、TEX-T）の技術移管を受け、BBCube（バンプレスビルドキューブ）技術に基づいた半導体の次世代3次元集積（3Dパッケージング、封止）向け製造ラインを、イノラックスのクリーンルームに構築することに合意したと発表した。2024年第4四半期（10〜12月）から設備を立ち上げ、25年第3四半期（7〜9月）に量産する予定だ。イノラックスの楊柱祥・総経理は、半導体の微細化を促進し、歩留まり率が上昇すると語った。30日付工商時報が報じた。

楊・総経理。イノラックスは「パネルを超える」を経営理念に、車載用、医療法、半導体の先進パッケージングに参入している（24日＝中央社）

　TEXは、BBCube技術のプラットフォームであるWOW（ウエハーオンウエハー）技術とCOW（チップオンウエハー）技術を、次世代3次元集積向け製造ラインに技術移管する。イノラックスは、WOW技術とCOW技術までを包括した次世代半導体製造ラインを構築し、ポスト微細化として活用する。

　BBCubeとは、従来の平置きチップレットを3次元でコンパクトにまとめ、バンプを利用しないで、システムの小型化を可能にするアーキテクチャー。TEXは、BBCube技術の社会実装を目指し、東京工業大学の科学技術創成研究院の大場隆之特任教授が設立した、東工大発のベンチャー企業だ。

成功大学など産学提携

　TEXとTEX-Tが主導して構築する次世代3次元集積製造ラインでは、東工大科学技術創成研究院の異種機能集積研究ユニット（大場研究室）が中心となって運営される産学研究プラットフォーム、WOWアライアンスや台湾の国立成功大学（NCKU）などの大学、産業界と協調し、人材育成も含めた研究開発（R＆D）を実施する予定だ。

　WOWアライアンスは、半導体関連の設計・プロセス・装置・材料などを手掛ける企業、および研究機関によって構成される。3次元開発としては国内唯一12インチウエハーを利用した実証開発、高度かつ簡便なウエハーの薄化技術・積層技術を持ち、バンプレスTSV配線を用いた3次元化技術を世界で初めて開発に成功した。

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