ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム 会社概要 採用情報 お問い合わせ

コンサルティング リサーチ セミナー 在台日本人にPR 経済ニュース 労務顧問会員

日本製うどん、包装材から放射性物質


ニュース 社会 作成日:2011年3月28日_記事番号:T00029049

日本製うどん、包装材から放射性物質

 基隆港から輸入した日本製うどんの紙製包装材から、放射性物質のヨウ素131とセシウム134、セシウム137が、行政院衛生署の検査で検出された。いずれも台湾の上限基準値を大幅に下回る微量だが、今月20日に日本からの輸入食品に対する放射性物質の検査を強化して以降、初の検出例となった。今後も類似のケースが続く恐れがあるとして、監視を強める必要性が有識者から指摘されている。28日付自由時報が報じた。


日本の放射能汚染の侵入を防ごうと台湾中が厳戒態勢だ。先週、台中港に入港した北海道発の鉄スクラップ輸送船に対し、全身を防護
服で包んだ係員が放射性物質の測定を行って汚染なしを確認した(中央社)

 検出された放射性物質の量は1キログラム当たりで、▽ヨウ素131、14.8ベクレル▽セシウム134、16.7ベクレル▽セシウム137、18.9ベクレル──。台湾の商品に関する放射性物質の基準値はヨウ素131が1キロ当たり300ベクレル、セシウム134と137は合計で同370ベクレル以下で、今回の検出値は大幅に下回った。

 問題のうどんは重量34キロで、東京から出荷され、横浜港を経て船便で基隆港に荷揚げされた。行政院原子能委員会(原能会)輻射防護処によると、うどんは紙材とビニール材で2層包装され、放射製物質が検出されたのは外側の紙材からで、内側のビニール材とうどんからは検出されなかった。うどんは依然、基隆税関に留め置かれている。 日本からの輸入食品では、成田空港から輸入された鹿児島産ソラマメの殻部分より放射性物質が検出されており、これを受けて衛生署は今月20日より日本で加工・包装された食品に対するサンプル検査を実施している。

「検出例は増える恐れ」

 今回の問題について林杰リョウ・林口長庚紀念医院臨床毒物科主任(リョウは木へんに梁)は、「検出量は非常に低く、過度に心配する必要はない」 としつつ、「(日本での)放射性物質の拡散によるこうしたケースは今後ますます増える恐れがある」と指摘した。

 台湾大学化工系の施信民教授は、福島第1原子力発電所付近の海水から基準値を大幅に上回る放射性物質が検出されたことを受けて、「台湾政府は日本、太平洋沿岸諸国、米西部の産品に対する、長期的な取り組みが必要だ。今後数年、農業・漁業産品の輸入を厳しく管理する必要がある」と述べた。

東北・関東の台湾人に避難求める

 福島第1原発は復旧作業が長引く公算が伝えられているが、台湾の日本における窓口機関、台北駐日経済文化代表処は26日、東北・関東に滞在する台湾人に対し、必要のない場合、同地から避難するか台湾に戻るよう改めて呼び掛けを行った。